【日野】新選組のふるさとを巡る!押さえておきたいおすすめスポット10選

日野|おすすめスポット

“新選組”といえば京都のイメージがあると思います。ですが幹部といわれる近藤勇・土方歳三・沖田総司・井上源三郎の出身地は実は東京なんです。

土方、井上の故郷である日野は、彼らの流派・天然理心流の道場があり、近藤との出会いの場所。そして、のちに隊士となる門人も多く排出しています。

幕末の動乱期を駆け抜けた新選組の原点である日野で、彼らの辿った軌跡が知れるおすすめスポットをその場所にまつわるエピソードを添えてご案内します!

高幡不動駅下車

高畑不動尊

高畑不動尊

「関東三大不動」のひとつと称される高幡不動尊は、土方家の菩提寺です。

奥殿には土方歳三の書簡や、天然理心流・佐藤道場使用の木剣など新選組資料が多数収蔵されていて、大日堂では、歳三の位牌や新選組隊士慰霊の大位牌などを拝むことができます。

高畑不動尊|土方像と顕彰碑
土方像と殉節両雄之碑(近藤勇・土方歳三顕彰碑)

近藤勇と土方歳三を顕彰する石碑は歳三の義兄・佐藤彦五郎を中心に建立され、篆額てんがく(上部に篆書で書かれた題字)の筆者は松平容保(会津藩主)、文の筆者は松本良順(幕府典医)によるもの。

新選組と深い関係のあった人たちが建立に携わっている貴重な石碑です。

幕末こそこそ噂話

歳三少年はこの高幡不動尊の山門によじ登り、そこにあった野鳥の巣の卵を、下を通る通行人に投げつけて遊んでいたとか。やんちゃで済まされないバラガキっぷり!

こちらの土方像、精悍な顔つきで堂々と立つ正面はもちろんかっこいいんですが、バックショットもおすすめ。

高畑不動尊|土方像

打刀のこしらえ「鞘尻」の部分、こじりにはハートが。愛刀・和泉守兼定を帯刀しているんです。細部の作り込みが凄い!

このハート「猪目いのめ」といって、魔除けや福を招くをいう意味があります。

守り刀であり、ともに戦地を駆け抜けた、まさに相棒!

高幡山明王院金剛寺(高幡不動尊)
 東京都日野市高幡733
 京王線・多摩都市モノレール「高幡不動駅」から徒歩5分
 境内見学自由 [拝観料]奥殿300円、大日堂200円

万願寺駅下車

土方歳三資料館

土方歳三資料館

土方歳三の生家で、歳三の兄・喜六のご子孫が館長として歴史を今に伝えており、歳三の息吹が感じられる史料が多く展示されています。

元々の生家は石田寺せきでんじの傍でしたが、弘化3年(1846)歳三12才の時、多摩川の氾濫によって一部が流されたため、残った母屋等を移築したのが現在の場所です。

幕末こそこそ噂話

資料館入り口のはりとなっている古い黒い木材。これは生家の大黒柱を移築したもので、歳三少年が相撲のぶつかり稽古をした柱といわれています。興が乗ると風呂上がりに半刻(30分)以上も鍛錬したとか。

土方歳三資料館|梁

土方家の家伝薬「石田散薬の調合にでも使って欲しい」と歳三が京土産として持参した、染付の鉢も展示されており、彼のそんな優しさと厳しさのギャップが、昔も今も人を惹きつける魅力のひとつなのでしょう。

みんな大好き「梅の花 壱輪咲いても 梅ハうめ」で有名な豊玉発句集も展示されています♪

箱館から市村鉄之助が命がけで日野へ送り届けた、歳三の愛刀・和泉守兼定の刀身は期間限定で公開されます。※鞘などの拵えは常設展示

土方歳三資料館は、2022年11月26日(土)・27日(日)の秋の刀身公開を最後に一旦長期休館となります。

土方歳三資料館
 東京都日野市石田2-1-3
 多摩モノレール「万願寺駅」から徒歩4分
 大人500円|小中学生300円
 毎月第1・第3日曜 12:00~16:00

石田寺

土方歳三資料館から徒歩8分のところに、歳三の墓と顕彰碑が建てられている石田寺せきでんじがあります。

歳三は箱館で戦死しており遺体の行方が不明なため、遺骨の埋葬はありません。ですが、2005年にご子孫が函館を訪れ、埋葬地だといわれている6か所の土を持ち帰り、供養ののち石田寺の墓に収められました。

100年経つと骨は土に還るといわれているので、136年ぶりに歳三は故郷に帰ってきたといえるのではないでしょうか。

正面のカヤの木は樹齢400年以上。生家が傍にあった歳三も、この木をみていたことでしょう

石田寺
 東京都日野市石田1-1-10
 多摩モノレール「万願寺駅」から徒歩8分
 9:00~17:00 拝観自由

日野駅下車

八坂神社

八坂神社

歳三の義兄・佐藤彦五郎が日野宿本陣に開いた天然理心流道場の門人25名の名をのせて、安政5年(1858)に奉納された、当時の額が収蔵されています。

天然理心流奉納額
一番左:嶋﨑勇藤原義武(近藤勇)
左から2番目:沖田惣治郎藤原春政(沖田総司)
右から6番目:井上源三郎

一番右:井上源三郎の兄・井上松五郎
右から2番目:佐藤彦五郎

近藤は24歳、沖田は16歳という若さ。この5年後に京へ向かうことになります。

土方さんは、額が奉納された翌年に正式入門したので、名前はありません

奉納額は年に2回、5月「ひの新選組まつり」と9月「例大祭」に公開されます。(拝観料100円)

奉納額がある社殿には、新選組の面々が参拝したであろう、当時の古い社殿が丸ごと収められています。

御朱印や御朱印帳にはダンダラ模様がつかわれており、”The 新選組!”といった仕様でファン必見!

八坂神社|御朱印
日野八坂神社
 東京都日野市日野本町3-14-12
 JR中央線「日野駅」から徒歩4分
 境内見学自由

日野宿本陣

日野宿本陣

都内で唯一残る江戸時代に建てられた本陣であり、歳三の姉のぶの嫁ぎ先・佐藤彦五郎の自宅。

本陣とは、大名や旗本などの身分の高い人々が宿泊する、宿場の中で一番格式が高い施設のこと

日野宿本陣|道場跡
佐藤道場跡の碑

現在は駐車場になっているところに道場があり、義兄宅に入り浸っていた歳三は出稽古にきた近藤や沖田とここで出会うのです。

大火によって古くからの主屋は消失し、現存しているのは文久3年(1863)に再建されたものです。このころ近藤らはすでに京で活躍しており、現本陣に訪れたのは里帰りの数回のみ。

ですが、歳三はもちろん、出稽古にきていた近藤・沖田など新選組メンバーも触ったであろう、大火前の古い門扉が残っており、なんとお触りOK!訪れた多くのファンが触っていかれるので、所々ピカピカになっています。

日野宿|旧門扉
幕末こそこそ噂話

「甲陽鎮撫隊」として近藤らが甲府にむかう中、労咳(結核)のため療養中の沖田が「自分は元気だから大丈夫」というアピールで表玄関の式台で四股を踏んでみせたとか。

日野宿本陣|式台
表玄関の式台

歳三の命で遺品を抱えて箱館から脱出した市村鉄之助は、この6畳の控えの間で2年間匿われていたといいます。

日野宿|控えの間
控えの間
日野宿本陣
 東京都日野市日野本町2-15-9
 JR中央線「日野駅」から徒歩6分
 大人(高校生以上)200円|小人(小中学生)50円
 9:30~17:00(入館は16:30まで) 月曜休館

日野市立新選組のふるさと歴史館

日野市立新選組のふるさと歴史館

日野と新選組のつながりや、生い立ち、結成そして終焉の箱館まで広く学べる資料館。

新選組最後の隊長・相馬主計の手記など貴重史料の常設展示はもちろん、特別展示は定期的に入れ替えをおこなっているので、よりディープに新選組を知りたい!という方も引き込まれる内容が盛りだくさん!

京都の屯所や箱館奉行所をバックに記念写真を撮れるブースもあり、羽織などの衣装もお借りできるので、隊士になりきって土方歳三パネルと並んで撮影できます♪

日野駅からは長い上り坂が続くので、バス利用がおすすめです!

日野市立新選組のふるさと歴史館
 東京都日野市神明4-16-1
 JR中央線「日野駅」より徒歩15分 または京王バス「新選組のふるさと歴史館前」から徒歩1分
 大人(高校生以上)200円|小人(小中学生)50円
 9:30~17:00(入館は16:30まで) 月曜休館

宝泉寺

宝泉寺

新選組六番隊長「源さん」こと井上源三郎の顕彰碑とお墓があります。

井上源三郎の顕彰碑
顕彰碑
井上源三郎の墓

源三郎は京都の淀で戦死しています。甥の井上泰助が源三郎の首を持ち帰ろうとするも、あまりに重かったため、近くの寺院に埋葬したと伝わりますが、遺体の行方はわかっていません。

源三郎は10年掛かりで天然理心流の免許皆伝しており、京時代は通りがかりの沖田に「また稽古ですか、熱心ですね」と声をかけられ「わかっているなら稽古をしたら良いのに」とたしなめたエピソードが残っている「努力の人」なのです。

幕末こそこそ噂話

総司の姉みつは井上家の分家に嫁いだので、2人は親戚関係。総司は幼少期に日野で過ごした時期があり、源三郎の家にも良く遊びに来てたとか。

色々な作品で老いた描かれ方をされることが多い源さんですが、実際は近藤さんの5つ上。京にのぼった時は、34歳。全然若い!

如意山宝泉寺
 東京都日野市日野本町3-6-9
 JR中央線「日野駅」より徒歩2分

井上源三郎資料館

井上源三郎資料館

源三郎の兄・松五郎のご子孫が運営する資料館で、生家の跡地に建てられています。コンパクトな資料館ながらも新選組メンバーと密接に関わっていた井上家だからこその貴重な展示が並びます。

・近藤が京土産として兄・松五郎に送った刀「大和守秀國」
・総司らが囲んで語り合った、生家で使用していた囲炉裏の枠
・歳三が松五郎に宛てた書状 etc…

文久3年(1863)兄・松五郎が上京していた折に、土方・沖田・源三郎から「近藤天狗になり候」と相談を受けた記録がある日記も展示されています。(会津藩お預かりになったことが嬉しくて、鼻が高くなってしまったのでしょうか)

井上源三郎資料館
 東京都日野市日野本町4-11-12
 JR中央線「日野駅」より徒歩5分
 大人500円|小中学生300円
 毎月第1・第3日曜 12:00~16:00

大昌寺

大昌寺

日野宿名主・佐藤彦五郎と妻である歳三の姉・のぶのお墓があります。

佐藤彦五郎の墓

資金面の支援や隊士募集の際の手回しなど裏で新選組を支えた、いわばスポンサー的な存在だったのが彦五郎です。

名主なぬしとは、領主の下で村政をつかさどる村の代表者のこと

佐藤彦五郎の墓

墓誌にある昱氏は彦五郎の曾孫にあたり、歳三の逸話や総司の稽古エピソードなどファンにはたまらない話が載っている「聞きがき新選組」の著者です。

「聞きがき新選組」の元となった、家伝「籬蔭史話りいんしわ」は司馬遼太郎が『燃えよ剣』を執筆する前に佐藤家を訪れて読んだといいます。

三鷲山鶴樹院大昌寺
 東京都日野市日野本町2-12-13
 JR中央線「日野駅」より徒歩5分

佐藤彦五郎新選組資料館

佐藤彦五郎新選組資料館

佐藤彦五郎と妻のぶのご子孫が運営されている資料館。井上家と同じく、関わりが深い佐藤家には、彼らから送られた史料が多く残されています。

・歳三が松平容保から拝領した「葵御紋の越前康継」
・歳三愛用の鉄扇や龍笛
・座して腕を組む近藤の写真
・市村鉄之助が届けた歳三の写真
・山南敬助の死を伝える総司の手紙 etc…

歳三が和泉守兼定とともに所持していた「越前康継」は、官軍に捕まり刀を没収された彦五郎の長男・源之助(俊宣)を気の毒におもい歳三が贈ったものです。(4~5月に限定公開)

佐藤彦五郎新選組資料館
 東京都日野市日野本町2-15-5
 JR中央線「日野駅」より徒歩8分
 大人500円|小中学生300円
 第1・第3日曜 11:00~16:00
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